今日は、音楽の形式について書いていこうと思います。
音楽は、想像力だけでなく、
楽譜からの情報を読み取る「知識」も必要です。
音楽を学ぶ上で、
形式を知っておくことはとても大切だからです。
どうしてこの曲は美しいのだろう?
どこがどう人を感動させるのだろうか?
など、音楽には組み立てがあって作曲家はそれに基づいて曲を作っています。
一見、自由にみえても必ず、「形式」という意識が働いているのです。
今日は楽式論から、
「形式」についてご紹介したいと思います。
最小で最短の形式。
ひとつの大楽節(通常は8小節)からできています。
前半と後半の小楽節(4小節)に分けられますが、
分割すると曲として成立しなくなります。
バイエルなど入門の楽譜などに多い形式です。
一部形式の2倍の長さを持ち、
2つの大楽節(16小節)でできています。
前半、後半の2つに分けられ、
後半は新しい要素(変化)から始まり、
最後の小楽節で始めの要素が再び出てくることが多いです。
ちょうちょう、春の小川などが二部形式の例です。
3つの大楽節からなり、
AーBーAの形をとる例が多いです。
AーBーAのような形は、
二部形式とも解釈できるので、
二部形式の変形とも言えます。
西洋音楽の基本的なパターンで、
B(展開)とA(再現)がはっきりとわかります。
クライマックスは、Bにあると考えられます。
AーBーCのように、
Aが再現されない曲もあります。
時々、終わりの部分が少し延びて、
「コーダ」と呼ばれる部分がある曲もあります。
きらきら星やバッハのインヴェンションなどがこの形式です。
三部形式を大きく発展させた形式。
主題(AーBーA)、中間部(CーDーC)、再現(AーBーA)のような例であらわされることがある。
ここでいう「主題」や「中間部」、「再現」などは決まった言い方ではありません。
中間部を「トリオ(Trio)」と呼ぶことが多く、
中間部の冒頭にTrioと書かれています。
複合三部形式は、ソナタなどの複楽章を持つ楽曲の中間楽章ないし、
終楽章の他、古典派以降の曲に多くみられます。
最も基本的なものは、各部が二部形式、または三部形式となっています。
最後に「コーダ」がついている曲もあります。
異なる旋律をはさみながら、
同じ旋律(ロンド旋律)を何度も繰り返す形式。
バロック式
AーBーAーCーA−D−A−E−A
三部形式(近代式)
AーBーA−CーAーBーA
近代式は大ロンドと最後のBーAを省略する小ロンドとに分けられます。
ロンドは元来「回る」という意味の舞曲なので、
「A」には回転する感じが、
各部をつなぐ経過句にもそのような音形が用いられています。
「A」は印象的でありながら、何回聞いてもしつこくならない軽快さが必要で、
コーダで回想されることもあります。
ロンド形式による作品の一部をご紹介
- 大ロンド形式
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」より「行進曲」など。
クーラウ:ソナチネOp.20-1 第3楽章
- 小ロンド形式
ベートーヴェン:エリーゼのために
ピアノソナタ第8番ハ短調9「悲愴」第2楽章
ショパン:マズルカ第5番
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
前半編は以上になります。
後半編、ソナタ形式やカノンやフーガなど
ご紹介していこうと思います。