子どもがピアノに集中できないときに。見直したい3つのこと

ピアノの練習がうまく続かない。
練習に取りかかっても、すぐに気が散ってしまう・・・。

 

そんなお子さんの様子に、ちょっと気になったり、
どうしたらいいんだろう?と感じたことはありませんか?

 

でも実は、集中できないのは「やる気がないから」ではなくて、
心や身体の状態、まわりの環境など、いくつかの要素がうまくかみ合っていないだけ、
ということもあるんです。

 

今回は、これまでピアノ講師としてたくさんの子どもたちと向き合ってきた経験から、
「集中できないとき」に見えてくるヒントや、
親御さんにできるちょっとした工夫を、ご紹介してみたいと思います。

 

※ちなみにこのお話、大人の方にもあてはまる部分があります。
ご自身の練習に置きかえて読んでいただいても、きっと気づきがあると思いますよ。

 

子どもがピアノに集中できないときに。見直したい3つのこと

ピアノの前に座っても、なんとなく気が散ってしまう。
「ちゃんとやろうと思っているのに、なぜ集中できないの?」

 

そんなふうに感じたときこそ、“集中の土台”をちょっと見直してみるタイミングかもしれません。

 

今回は、「心」「体」「環境」の3つの視点から、
練習に集中しやすくなるためのちいさなヒントをまとめてみました。

 

親子でピアノに向かう時間が、少しでも穏やかで心地よいものになりますように。

 

1. 集中できないのは、やる気が足りないからではない

1. 心の中の“ざわざわ”
子どもはまだ「気持ちを切り替える力(自己制御)」が十分育っていません。
練習中でも「学校であったこと」や「このあと何するの?」
といった思考が頭の中を駆けめぐり、意識が散りやすくなるのです。

子どもはもともと、大人よりも「気を切り替える力」や「注意を長く保つ力」が育ち途中なんです。
これは脳の働きにも関係していて、実際に“気が散りやすい”のは自然なことでもあります。

 

2. デジタルの刺激に慣れすぎている
スマホやタブレットで情報が次々切り替わる環境に慣れている子ほど、
「ひとつのことにじっくり取り組む」ことが難しくなります。
集中力を奪う最大の敵は、静かな練習時間ではなく、日常に溢れる“速さ”かもしれません。

 

3. 練習の目的があいまい
「なんとなく練習してごらん」では、子どもは何をどれだけやればいいのか分からず、
早々に飽きてしまいます。
「このフレーズを3回通してごらん」のように“目標の見える化”がカギです。

 

2. 集中力を高めるために、親御さんができること

1. 練習前に“切り替えスイッチ”をつくる
帰宅してすぐや、他のことで気持ちがざわついている時は、
集中モードに入りにくいもの。
数分間の「準備タイム」を設けるだけでも違います。

たとえば・・・

  • お茶を一口飲む
  • 深呼吸して「さぁ始めようか」と声をかける
  • 好きな曲を1回だけ自由に弾いてから、練習の本番に入る

子どもにとって“はじまりの儀式”があると、気持ちが整いやすくなります。

 

2. デジタル機器を遠ざける
スマホやテレビの音、通知音が聞こえる環境では、無意識に気が散ります。
できれば「ピアノの時間は音のない環境」を用意してあげましょう。
これは実は、大人にも同じことが言えます。

 

3. 今日の“ミッション”を決める
「今日はどこまでやる?」と親子で決めておくと、
子どもはゴールが見える状態で集中しやすくなります。
短くてOKです。

  • 3回通す
  • 左手だけ5回やってみる
  • スタート地点(最初の2小節)だけ、今日はがんばる

これらは、小さな成功体験を積み重ねることで、自信にもつながっていきます。

 

3. 休むことも“練習”のうち

集中できない日があっても、それは成長途中の証。
「今日はムリにやらなくていいよ」「気分を変えて好きな曲弾いてもいいよ」と、
がんばらせすぎない声かけも、時には必要です。

 

実は、大人でも子どもでも「集中力がもつ時間」は長くはないんです。
20〜30分くらいでいったん疲れてしまうのは、むしろ自然なこと。
だからこそ、短く区切って“少しずつ”進める練習法があっているのです。

 

疲れている日は、5分だけでもOK。
大切なのは「続けること」「心地よく終えること」です。

 

まとめ

子どもが集中できないのは、やる気がないからではなく、
“整っていない”からかもしれません。

 

練習前の「切り替え」、目標の“見える化”、
静かな環境づくりで、集中モードに入りやすくなります。

 

時には、無理にやらせず、ゆるめる声かけも大切です。

 

ピアノの練習は、「弾くこと」だけでなく「整えること」から始まっています。

 

今日も、ちいさな一歩をいっしょに踏み出せますように。

 

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