ジブリ音楽で自由研究。映画を見ていなくてもできる、音から物語を想像する研究
夏休みの自由研究に、音楽を使ってみたい。
そう思っても、「楽器を演奏できないと難しいのでは?」
「音楽の知識がないと研究にならないのでは?」と
感じる方もいるかもしれません。
けれど、音楽の自由研究は、必ずしも楽器を弾いたり、
難しい音楽用語を調べたりする必要はありません。
音楽を聴いて、「どんな景色が浮かんだ?」「どんな人が出てきそう?」
「歩いている感じ? それとも空を飛んでいる感じ?」と
想像することも、立派な音楽の観察です。
この記事では、親子でジブリ音楽を聴き、
音から浮かぶ景色や物語を比べる自由研究をご紹介します。
ジブリ映画を見たことがなくても大丈夫です。
昔見たことはあるけれど、
場面をあまり覚えていないという場合でも取り組めます。
映画の正しい場面を当てる研究ではなく、
音楽を聴いたときに、
自分の中にどのようなイメージが生まれるのかを調べてみましょう。
今回の自由研究では、何を調べるの?
今回の自由研究で調べるのは、
音楽を聴いたときに浮かぶ景色や物語です。
同じ曲を聴いても、
親と子でまったく同じ場面を思い浮かべるとは限りません。
子どもは森の中を走る動物を想像し、
親は知らない町を歩く人を思い浮かべるかもしれません。
一方で、登場する人や場所は違っても、
二人とも「歩いている感じがした」「明るい昼間の景色が浮かんだ」
という共通点が見つかることもあります。
この自由研究では、
- 親子で浮かぶ場面は同じなのか
- 音楽の速さや音の高さによって、浮かぶ景色は変わるのか
- 音楽のどのような特徴が、想像した場面につながったのか
などを調べていきます。
自由研究のテーマ例
自由研究の題名は、次のように決めてもよいでしょう。
- ジブリ音楽を聴いて、親子で浮かぶ場面を比べてみた
- 音楽からどんな物語が生まれるのか
- 同じ曲を聴いても、みんな同じ景色を想像するの?
- 音楽の速さや高さで、浮かぶ場面は変わるのか
- ジブリ音楽から感じる景色と動きを調べよう
低学年の場合は、難しい題名にしなくても構いません。
「ジブリの曲を聴いて、思いうかんだもの」など、
子ども自身がわかりやすい言葉でつけることも大切です。
自由研究に使う曲を選ぼう
まずは、自由研究に使う曲を選びます。
低学年であれば、1曲だけでも十分です。
高学年の場合は、雰囲気の違う2曲を選んで比べると、
さらに研究らしくなります。
たとえば、ジブリ音楽には次のような曲があります。
- 「さんぽ」
- 「君をのせて」
- 「いつも何度でも」
- 「崖の上のポニョ」
- 「人生のメリーゴーランド」
子どもが知っている曲や、聴いてみたいと思った曲を選んでみましょう。
曲名を見て、興味を持ったものを選んでも構いません。
大切なのは、難しい曲を選ぶことではなく、
何度か聴いて、感じたことを言葉や絵にできそうな曲を選ぶことです。
歌が入っている曲と、楽器だけの曲
歌詞のある曲では、
歌の言葉から景色や物語を想像しやすくなります。
一方で、音楽そのものから自由に想像したい場合は、
ピアノ演奏やオルゴール、オーケストラなど、
歌の入っていない演奏を選ぶ方法もあります。
同じ曲でも、歌の入った演奏、ピアノだけの演奏、
オーケストラの演奏では、浮かぶ景色が変わることがあります。
余裕があれば、同じ曲の異なる演奏を聴き比べる研究にしてもおもしろいでしょう。
聴く前に、予想と準備をしよう
すぐに音楽を聴き始める前に、
まずは曲名を見て、どんな曲かを予想してみます。
曲をすでに知っている場合は、
曲名を見たときに浮かんだ印象や、覚えていることを書いておきましょう。
曲を聴く前の質問
- 明るい曲だと思う? 暗い曲だと思う?
- 速い曲だと思う? ゆっくりした曲だと思う?
- どんな場所が出てきそう?
- 人や動物は登場しそう?
- 朝・昼・夜のどの時間に合いそう?
- どんな出来事が起こりそう?
予想に正解や間違いはありません。
実際に聴いた後で、「思っていたより静かな曲だった」
「題名から海を想像したけれど、聴いたら空を飛ぶ場面が浮かんだ」
という違いが見つかれば、それも研究の結果になります。
準備するもの
今回の自由研究では、次のようなものを用意します。
- 音楽を聴くためのスマートフォン、タブレット、CDなど
- 自由研究ノート、画用紙、自由帳など
- 鉛筆や色鉛筆
- 親子それぞれが記録するための紙
- 必要に応じて、タイマーや時計
低学年の場合は、文章を書く代わりに、
絵を描けるように色鉛筆やクレヨンを準備しておくとよいでしょう。
まずは何も話さず、親子で聴いてみよう
準備ができたら、最初に1回、曲を通して聴きます。
このとき、親御さんは先に感想を言わないようにします。
「これは楽しい曲だね」
「森の中を歩いているみたいだね」と大人が先に話すと、
子どもの想像がその言葉に引っ張られてしまうことがあるからです。
まずは親子で静かに聴き、
それぞれが浮かんだものを別々に記録してみましょう。
聴きながら考えること
- どんな場所が浮かんだ?
- 季節はいつ?
- 天気はどうだった?
- 朝・昼・夕方・夜のどれ?
- 誰が出てきた?
- 人や動物は何をしていた?
- 何か出来事が起こりそうだった?
- どんな気持ちになった?
すべての質問に答える必要はありません。
印象に残ったものを、いくつか書くだけでも十分です。
言葉にできないときは絵でも大丈夫
子どもが「よくわからない」と言ったときは、
無理に言葉にさせなくても構いません。
「どんな色が浮かんだ?」
「線にすると、まっすぐ? ぐるぐる?」
「人がいるとしたら、何をしていそう?」
と聞いてみると、表現しやすくなることがあります。
音楽を聴いて浮かんだものを、そのまま絵にしてみるのもよい方法です。
文章と絵のどちらが正しいということはありません。
音楽の特徴を観察してみよう
1回目は、自由に景色や物語を想像しました。
2回目は、少し耳の向け方を変えて、音楽そのものを観察してみましょう。
音楽の専門用語をたくさん使う必要はありません。
子どもが耳で感じ取れる言葉で調べていきます。
音楽を観察する質問
- 曲は速い? ゆっくり?
- 高い音が多い? 低い音が多い?
- 音は大きい? 小さい?
- なめらかに流れている? 弾んでいる?
- 同じリズムが繰り返されている?
- 同じメロディーが何度も出てくる?
- 途中で雰囲気が変わった?
- どんな楽器の音が聞こえた?
- 音が増えたり、減ったりした?
- 最初と最後では、感じ方が変わった?
すべてを細かく分析しなくても大丈夫です。
気づいたことを2つか3つ選び、
それが想像した場面とどのようにつながっているかを考えます。
音楽と想像を結びつけてみよう
たとえば、
曲が速く、同じリズムが続いていたので、誰かが元気よく歩いている場面を想像した。
高い音が軽く聞こえたので、空を飛んでいるように感じた。
低い音が増えたところで、何か不安な出来事が起こりそうだと思った。
音がだんだん大きくなったので、遠くから誰かが近づいてくるように感じた。
というように書くことができます。
ただ「楽しかった」「きれいだった」と感想を書くのではなく、
どんな音だったから、何を想像したのかまで考えることが、
この研究の大切なポイントです。
親子の答えを比べてみよう
それぞれが記録できたら、
親子で答えを見せ合ってみましょう。
最初から一緒に考えるのではなく、
別々に書いてから比べることで、共通点や違いが見つけやすくなります。
比べるポイント
- 同じ場所を想像した?
- 季節や天気は同じだった?
- 出てきた人や動物は似ていた?
- 動きの速さは同じだった?
- 明るい、寂しい、怖いなどの気持ちは似ていた?
- まったく違う物語になった?
- 音楽のどの部分に注目していた?
たとえば、親は「知らない町を一人で歩いている場面」を想像し、
子どもは「森の中を動物たちが歩いている場面」を思い浮かべるかもしれません。
場所や登場人物は違いますが、
二人とも「歩く場面」を想像していたなら、そこには共通点があります。
なぜ二人とも歩く場面を想像したのか、
音楽のリズムや速さから考えてみましょう。
答えが違うことも、研究の結果
親子で答えが違っても、
どちらかが間違っているわけではありません。
同じ音楽を聴いても、これまでに見た景色や経験、
好きなものによって、浮かぶイメージは変わります。
そのため、同じ曲を聴いても、人によって想像する物語は違うことがわかった。
ということも、立派な研究結果です。
映画を見たことがある場合
ジブリ映画を見たことがある人は、
最後に、覚えている映画の場面とも比べてみましょう。
- 映画の場面と同じものを想像した?
- 映画とは違う場面が浮かんだ?
- 映画を見た記憶が、想像に影響していた?
- 映画を見ていない人とは、答えが違った?
映画の内容を正確に覚えていなくても構いません。
「なんとなく空を飛ぶ場面だった気がする」という曖昧な記憶も、
今回浮かんだイメージと比べる材料になります。
自由研究としてまとめよう
最後に、調べたことを自由研究としてまとめます。
画用紙にまとめてもよいですし、
ノートやスケッチブックを使っても構いません。
まとめる順番
次の順番で書くと、研究の流れが伝わりやすくなります。
1.この研究を選んだ理由
なぜこのテーマを選んだのかを書きます。
例:音楽を聴くと、頭の中に景色が浮かぶことがあるので、
親と自分では同じ景色を想像するのか調べたいと思いました。
2.調べたいこと
研究で何を確かめたいのかを書きます。
例:同じジブリ音楽を聴いたとき、
親と子で同じ場面を想像するのかを調べます。
3.聴く前の予想
曲を聴く前に考えたことを書きます。
例:曲名から、明るくて元気な曲だと思いました。
4.使った曲と調べ方
聴いた曲や、何回聴いたか、どのように比べたかを書きます。
例:1回目は自由に聴き、浮かんだ場面を書きました。
2回目は、速さや音の高さに注目して聴きました。
その後、親と答えを比べました。
5.自分が想像した場面
文章や絵で表します。
6.親が想像した場面
自分の答えと並べて書くと、比べやすくなります。
7.音楽の特徴
曲の速さ、音の高さ、強さ、リズムなど、気づいたことを書きます。
8.比べて気づいたこと
親子の共通点と違いを書きます。
9.わかったこと・感想
最後に、研究を通してわかったことをまとめます。
比較表の例
※下の表は、あくまでも例です。
このような感じで、親子でわかったことを書いてみましょう。
| 比べること | 子どもの答え | 親の答え |
| 浮かんだ場所 | 森の中 | 知らない町 |
| 登場したもの | 動物 | 一人で歩く人 |
| 感じた動き | 元気に歩く | ゆっくり歩く |
| 曲の印象 | 楽しい | 明るくて懐かしい |
| 共通していたこと | 歩いている場面 | 歩いている場面 |
「わかったこと」の文例
調べる前は、同じ曲を聴けば、みんな同じ場面を思い浮かべると思っていました。
けれど、親と自分では、浮かんだ場所や登場人物が違いました。
一方で、二人とも歩いている場面を想像していました。
曲の中で同じようなリズムが繰り返されていたため、歩く動きを感じたのだと思います。
同じ音楽を聴いても、人によって物語は違いますが、音楽の速さやリズムから、似た動きを感じることがあるとわかりました。
親御さんへ。正解を教えず、子どもの感じ方を聞いてみよう
音楽を聴くと、大人はつい、「これは明るい曲だよね」
「映画では、こんな場面に使われていたよ」と説明したくなることがあります。
けれど、今回の自由研究では、
映画の場面を正しく答えることが目的ではありません。
子ども自身が音楽を聴き、何を感じ、
どの音からそう思ったのかを見つけることが大切です。
親御さんは、答えを教える代わりに、「どんな感じがした?」とか、
「どのあたりで、そう思ったの?」「最初と途中で、景色は変わった?」
「その人は、どこへ向かっていると思う?」と問いかけてみてください。
子どもが「わからない」と答えても、
急いで答えを出させなくて大丈夫です。
もう一度聴いたり、絵にしてみたりするうちに、
少しずつ言葉が出てくることがあります。
また、子どもの表現を、
大人らしい言葉に直しすぎないことも大切です。
「黄色い音がした」
「音が走っていた」
「途中で空が暗くなった」という表現も、その子が音楽から受け取った大切な感覚です。
自由研究をきれいに完成させること以上に、
子どもが自分の感じたことを安心して表現できる時間にしてみてください。
おわりに。音楽には、まだ見ていない物語がある
ジブリ映画を見たことがなくても、音楽を聴くことはできます。
そして音楽を聴くと、目の前には何も映っていないのに、
頭の中に景色や人、動きや物語が浮かぶことがあります。
同じ曲から、親子でまったく違う物語が生まれるかもしれません。
反対に、場所や登場人物は違っても、
二人とも同じような動きや気持ちを感じることもあるでしょう。
音楽は、作られた物語を伝えるだけでなく、
聴く人の中から、新しい物語を引き出してくれます。
この夏は、好きなジブリ音楽を一曲選び、親子で耳を澄ませてみてください。
まだ見たことのない景色が、音の中から見つかるかもしれません。
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川の音や鳥の声、風に揺れる葉の音に耳をすませながら、
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親子で観察してみる自由研究です。
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