早く「まる」がほしい生徒の心理とは

ヤマハ音楽教室講師歴25年以上の経験を持つピアノ講師が悩みに寄り添います。

 

「早く次の曲へ進みたい。」

ピアノを習っている人にとって、次の曲へ進むことは、とてもワクワクするし嬉しいものです。

レッスンで一回弾いてごらん・・・と促し、「私がここをもう少しきれいに弾けるとよかったね」などアドバイスをするとすかさず、「まるがほしい!」と言う生徒がいます。

気持ち、よくわかります。

きっとその生徒自身は、うまく練習できたと思っていて、生徒としては自信があったのかもしれません。

講師は、もっとよくなるように指導することが目的のひとつでもあるので、明らかにダメでなくても少しはアドバイスをします。

すると、急にテンションが下がり、やる気がなくなる生徒がいます。

そんな時・・・、講師はどう対応したらいいのでしょうか?

「まるがほしい!」という言葉をひっくり返すように、「できていないところをもう一度練習してきなさい!」と厳しく言えばいいのでしょうか?

それとも、「まるがほしいなら、まるあげる。次の曲へ進もう。」と甘やかしてしまうのか?

 

「まる」がほしいという気持ちを理解してあげましょう。

まずは、気持ちを理解してあげる、ということ。

子どもでも大人でも、”いい評価がほしい”というのは、みんなが持っている願望だからです。

でも、生徒によっては、もう少し練習を積み重ねればもっとよくなる可能性がある場合がほとんどです。

その可能性がある限り、講師はその気持ちを理解しつつ、一週間練習したらここまでできるようになるのではないかという希望を持たせるようにアドバイスしてみることを心がけてみましょう。

決していじわるをして、”まる”をあげないわけではない、ということをわかってもらえるように。

 

もっと上手に弾けるようになってほしい、という気持ちをきちんと話す。

講師側の希望(あなたがもっと上手に弾くのを聴きたいという思い)を込めて、生徒に声がけをする。

そうすることで、生徒は「先生がそう言うならもう少し練習頑張ってみようかな」という気持ちになってくれるはずです。

講師と生徒、そのご父兄さまとの信頼関係を築くには、相手に気持ちに寄り添うことが大切になります。

こちら側の一方的な思いを押しつけるのではなく、相手の気持ちを理解しながら、こちらの思いを伝えることが大切。

生徒は、ピアノが上手くなりたいからレッスンを受けているわけなので、講師側のアドバイスには本来きちんと耳を傾け、練習に取り組むという姿勢が必要なんですが、あまりにも生徒の気持ちを理解しないで講師側の意見を押しつけるような言い方をすると、講師に対して疑いの気持ちを持たれてしまうのも事実だからです。

「あの先生は、厳しすぎる」とか「もう少し言い方あるのになー」など。

厳しく指導することと、相手の気持ちに寄り添うことを混同してしまうと、ただの優しいだけの先生になってしまいがち。

 

優しいんだけど、言う時はしっかりと言う。

そんな先生が、信頼される先生だと思います。

生徒の話をきちんと聞き、たとえ練習できていないという言い訳ばかりしていたとしても、家ではきちんと弾けていた、と自信満々に言っていても、まずは相手の言葉をきちんと受け止める。

これは、講師側の「傾聴の技術」があることが大切になります。

「傾聴」については、またあらためて記事にしたいと思います。

 

まとめ

私の子ども時代に習っていた先生は、厳しい先生が多かったように思います。

決して褒めてくれる言葉などない、というぐらい厳しいレッスンだったように記憶しています。

私の友人は、弾いている手をパン!と叩かれて怒られた、と言っていました。

人の性格も価値観も、時代とともに変化しています。

今はいまの時代に合った価値観で、ピアノ講師は生徒やご父兄さまに寄り添うことが大切になってくると私は感じています。

それぞれの生徒の可能性を引き出すために、生徒の気持ちに寄り添いながら一緒に学んでいく姿勢も大切かもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

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