レッスンにならない生徒、いますか?
ピアノのレッスンで、「むなしいな…」「もうやめてもらいたいな…」と
感じてしまう生徒に出会ったことはありませんか?
一生懸命に準備しても・・・
- 弾こうとしない
- 練習してこない理由ばかり並べる
- 「帰りたい」と言って集中できない
そんな時間が続くと、講師としての気力も削られ、
孤独を感じることさえあります。
「どうして弾いてくれないんだろう」「わたしの伝え方が悪いのかな…」と
自分を責めてしまうこともあるでしょう。
でも、それはあなただけではありません。
実は多くの先生が同じように、“対応の難しい生徒”に悩んでいるのです。
そして、この「難しい」と感じる生徒との関わりは、
ただ苦しいだけでなく、指導者としての成長や、
生徒との新しい関係を築くきっかけになることもあります。
本記事では、25年以上の講師経験から出会った
「レッスンにならない生徒」への向き合い方や、
弾かない・逃げる子の心理背景、講師ができる心構えについてお伝えします。
ピアノレッスンにならない生徒とは?
ピアノのレッスンをしていると、「今日はレッスンにならなかったな…」と
感じる場面に出会うことがあります。
どんなに準備をしても、生徒がまったく取り組まなければ、進めようがありません。
実際に多くの講師が悩んでいるのは、こんなタイプの生徒です。
- 楽譜を開いても「わからない」と繰り返し、全く弾こうとしない
- 「忙しかったから」「宿題が多かったから」と、練習してこなかった理由を並べる
- 「この曲きらい」と言って課題に取り組もうとしない
- アドバイスをしても「でも無理」と返し、改善のための努力を拒む
- レッスン途中で「疲れた」「帰りたい」と言って集中が続かない
- 習い事を親に押しつけられ、やる気を見せない
- 自己流で弾きたがり、講師のアドバイスを受け入れない
- 「どうせ上手くならない」とネガティブな発言ばかりする
こうしたケースは、まさに「レッスンにならない生徒」であり、
講師が「むなしい」と感じてしまう大きな原因のひとつです。
しかも、1人や2人だけではなく、どの教室にも一定数存在するため、
避けて通れないテーマだともいえるでしょう。
講師が「むなしい」と感じる瞬間
レッスンで「この子のために…」と一生懸命に準備しても、
成果がまったく見えないとき、
講師としての心はふっと折れてしまいそうになります。
わたし自身も、忘れられない生徒がいます。
仮にAちゃんとします。
Aちゃんは、すぐに「できない」「むり!」と言って、
ピアノから離れてしまう子でした。
時にはピアノの下にもぐり込んだり、教室から出ていこうとしたり…。
わたしは「なんとか弾かせたい」と必死に声をかけましたが、
ほとんど届きませんでした。
レッスンが終わると、どっと疲れてしまい、
「今日の時間は何だったんだろう」「私のやり方が悪いのかな」と、
むなしさばかりが残る日もありました。
こうした経験は、私だけのものではありません。
- アドバイスをしても生徒が全く反応しない
- 練習してこない理由ばかりを並べる
- 「やめたい」「帰りたい」と拒否される
多くの先生が同じように「努力が報われない」と
感じる瞬間を経験しています。
そしてそのむなしさは、決して特別なものではなく、
誰もが一度は通る道なのです。
👉 むなしさを感じるのは、それだけ真剣に生徒と向き合っている証拠。
「自分だけがダメなんだ」と責める必要はありません。
対応の難しい生徒の心理背景
レッスンにならないように見える行動の裏には、必ず理由があります。
「やる気がない」「怠けている」と思ってしまう前に、
その背景を想像してみることが大切です。
不安が強い
- 「間違えたらどうしよう」
- 「先生に怒られるかもしれない」
こうした不安が強いと、鍵盤に触れることさえ避けてしまうことがあります。
挑戦する前に心がストップをかけてしまうのです。
自己肯定感が低い
- 「どうせできない」
- 「練習しても無駄」
そんな思い込みが強い子は、始める前から諦めてしまいます。
弾こうとしない態度の裏には、「できない自分を見せたくない」という防衛心が隠れていることもあります。
感情の波が大きい
- 気分が乗っているときは弾けるのに、次の週は全く弾かない
- レッスン中に急に「帰りたい」と言ってしまう
子どもによっては、感情の起伏が激しく、レッスンに集中しにくいこともあります。
本人もコントロールできずに苦しんでいる場合も少なくありません。
講師ができる心構えと小さな工夫
対応の難しい生徒とのレッスンでは、
つい「できていない部分」ばかりに目がいってしまいます。
でも、その視点を少し変えるだけで、
講師自身の心もぐっと楽になることがあります。
たとえば、先ほどのAちゃん。
「できない」「むり!」と繰り返し、
ピアノの下にもぐってしまう姿に、私は何度も途方に暮れました。
どう声をかけても動いてくれず、むなしさばかりが残る日々…。
そんな中で気づいたのは、「弾かせること」だけをゴールにしないこと。
そこで意識したのが、Aちゃんの気持ちを受け止め、“余白”をつくることでした。
この「余白」というのは、ただ黙って待つことではなく、
生徒が安心して言葉を出せる空間をつくることです。
ほんの小さな違いですが、レッスン全体の雰囲気が変わっていきました。
まとめと次の一歩
対応の難しい生徒とのレッスンは、
講師にとって大きなストレスになります。
でもその経験は、決して無駄ではなく、
指導者としての成長のきっかけにもなるのです。
実際に、どのように「余白」をつくり、生徒の気持ちを受け止めていくのか。
その具体的なプロセスは、note記事で詳しく紹介しています。
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冒頭の一部は無料で読めますので、雰囲気を確かめてからお読みいただけます。
